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よみたい万葉集

著者 まつしたゆうり
松岡 文
森 花絵
監修:村田 右富実
定価 1,400円(税抜)
発行年月日 2015年2月23日
判型 A5判並製 140ページ
ISBN 978-4-901908-94-8
Cコード 0095
刷り 5刷

内容紹介

1300年前、今でいうメールのようにやりとりされた無数の歌がありました。
美麗な水彩画とともに触れる素顔の万葉集。お勉強の本じゃなくて、万葉集を身近に感じるための一冊です。

現代の私たちと共通する気持ちと、当時の人だけが持つ感覚。その感性の違いを再発見。
ちょっとしたコラムページでは万葉集の歌から当時の人々の生活、価値観が垣間みえます。
基礎知識から資料編まで充実、万葉集を知らない人も、もちろん知っている人も楽しめる一冊です。

【 N E W S 】
2015年3月図書館振興財団 中学校選書事業に選ばれました。
2015年9月長野県社会福祉審議会児童福祉専門文科会推薦図書に選ばれました。

 

目次

 

はじまりの物語
万葉集基礎のキソ


・相聞
あしひきの 山のしづくに 妹待つと
我を待つと 君が濡れけむ
我が里に 大雪降れり
我が岡の おかみに言ひて 降らしめし


・装
我が背子が かざしの萩に 置く露を
しらぬひ 筑紫の綿は 身に着けて
振分の 髪を短み


・鳥
春霞 流るるなへに
妹に恋ひ いねぬ朝明に
常陸さし 行かむ雁もが
天雲に 翼打ち付けて 飛ぶ鶴の
我が衣 君に着せよと
我が門に 千鳥しば鳴く


・笑
石麻呂に 我物申す
痩す痩すも 生けらばあらむを
うまし物 いづくも飽かじを
我が妹子が 額に生ふる 双六の
我が背子が たふ鼻にする 円石の
白玉は 人に知らえず 知らずともよし


・無常
世間を 何に喩へむ
巻向の 山辺とよみて 行く水の
水泡なす 仮れる身そとは 知れれども
この世にし 楽しくあらば
生けるもの 遂にも死ぬる ものにあれば
うらうらに 照れる春日に ひばり上がり


・夢
み空ゆく 月の光に
夢の逢ひは 苦しかりけり
忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど
相思はず 君はあるらし


・恋
夏の野の 茂みに咲ける 姫百合の
心には 千重に百重に 思へれど
冬ごもり 春の大野を 焼く人は
武庫の浦の 入江の渚鳥 羽ぐくもる
大船に 妹乗るものに あらませば


・酒
あな醜 賢しらをすと
憶良らは 今は罷らむ 子泣くらむ
君がため 醸みし待ち酒
賢しみと 物言ふよりは


・旅
音に聞き 目にはいまだ見ぬ
真木の葉の しなふ勢能山
海人娘女 棚なし小舟 漕ぎ出らし
人もなき 空しき家は


・挽歌
天の原 振り放け見れば
青旗の 木幡の上を 通ふとは
人はよし 思ひ止むとも
うつせみし 神に堪へねば
山吹の 立ちよそひたる 山清水


・別格
春の野に すみれ摘みにと 来し我そ
我がやどの いささ群竹
天の海に 雲の波立ち


・万葉新聞
歌垣号/装号/鳥号/動物号/七夕号
夢号/恋号/食号/防人号


・もっと楽しむ!万葉集
音/色/万葉鳥歌図鑑/原文おもしろ歌/伝説歌
お呪い/歌人別ソング集/長歌の楽しみ方
枕詞/裏ベストソング


おわりの物語


監修者解説
あとがき


・巻末資料
万葉早見表/万葉の四季と行事/年表と宮の変遷
万葉地図/+α基礎知識と文法・注
参考文献・表記について