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著者 | 澤邉 紀生 吉岡 和守 |
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定価 | 2,400円(税抜) |
発行年月日 | 2022年3月18日 |
判型 | A5判並製 184ページ |
ISBN | 978-4-908443-71-8 |
Cコード | 3033 |
刷り | 1刷 |
コロナ禍、集中豪雨など自然災害、
基本インフラの老朽化、少子高齢化、
人口減少…問題を抱える地方財政の「今」。
増大する地方財政の危機が増大するなか、今、総務省が導入した民間企業の手法による公会計制度によって、持続可能な地方財政が構築されようとしている。
最新の公会計データをもとに、現状の地方財政の実態と課題を明らかにし、財政改革への道のりを示す。
はしがき
◆第1部 地方財政の実態とは
・1 現代日本の縮図としての「地方財政」
・2 財政状態が改善されるも資産の老朽化が進行
①住民一人当たり負債額
②財政状態の健全性──純資産比率の分析
③財政状況の実態──実質純資産比率の分析
④資産の老朽化の進行──資産劣化度の分析
・3 自治体間の大きな格差──行政活動改善可能性
①住民一人当たり行政コスト
②住民一人当たり人件費
③住民一人当たり減価償却費
④住民一人当たり補助金等
⑤住民一人当たり税収
⑥行政コスト対税収等比率
⑦受益者負担の割合
全体分析の結果
・4 五つの視点からの財政状態のとりまとめ
財政状況からみた問題点
収支状況からみた問題点
①自治体消滅危機
②財政破綻懸念
③資産更新リスク
④コスト硬直化
⑤地方交付税依存体質
・5 成功している自治体とうまくゆかない自治体
大規模自治体──柏市とT市を比較する
中規模自治体──朝来市とM市を比較する
小規模自治体──井手町とF町を比較する
コラム:公会計データ解析
◆第2部 地方財政の抱える課題──受け身意識の弊害
・1 資産老朽化の進行と更新投資財源の不足
公会計データから読み取れる自治体の資産老朽化問題
地方都市における資産更新必要額の推移予想
資産更新必要額がどれだけ手当されているか
バブル崩壊後の公共事業投資の長期的な影響
・2 単年度主義を克服し、長期的視野にたった計画へ
長期的な観点からの資産管理に向けた動き
近視眼的な投資意思決定
引き起こされる深刻な問題──会計年度独立主義と現金主義会計での業績評価
発生主義が主体的に会計を考える機会を与える
難しい自治体運営──平均資産更新必要額と減価償却費
長期的な視点からの意思決定──減価償却の内部金融機能
当事者意識の欠如──長期的な意思決定という難問
・3 公債についてのさまざまな論点──健全経営が公債発行の前提条件
公債発行限度額への一つの提案
理論的可能性としての永久債──独自財源と資金制約
地方自治体の財政規律──リスクテーク上限の指標としての純資産とガバナンス
・4 経常的収入と費用の問題──赤字(公会計)の自治体が急増六割超に
赤字経営の実態
自治体の「収入と費用」の特徴的な構造
経常的費用の検討──人件費、補助金、減価償却費
◆第3部 地方財政改革を進めるために ── 主体者意識を確保せよ
・1 自治体のミッションを進化させる──経営改善の大前提
機械的組織観と有機的組織観
公共財の提供をこえた地方自治体の基本ミッション
公共財の提供者から、公共サービス受給者の代理人へ
個別資産の管理からバリューチェーン全体のマネジメントへ
・2 「ミッション進化」が対応する新しい経済諸現象
変動する「所有」への考え方──固定費の変動費化
所有から利用へ──モビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)
エネルギー産業の新しい展開──巨大な発電所から小さな発電所と蓄電池へ
シェアリングエコノミーという新しい経済
地域経済の展開──その課題と地方自治体・公共団体の役割
・3 組織の会計から地域社会の管理会計へ──地域財政の改革
自治体の役割進化による公会計の新しい課題
自治体自体の健全経営とは
公的サービスの未来への戦略と管理会計
「予算編成」こそ「扇の要」
・4 個の確立から社会性の回復へ